お年寄りによく見られる物忘れが、若い世代でも増加しているそうです。
スマホの普及とともに認知症のような症状を発症する若者が増えてきたことから、「スマホ認知症」を疑う医師もいます。
今回は現代病の一つになりつつある、新しい病気について解説しましょう。
スマホ認知症かも?当てはまる人は要注意!
「近年は物忘れ外来を受診する若者が増えている」という専門医の発表がありました。
集中力・記憶力の低下、注意力散漫、言語障害など、老人性認知症と似たような症状が報告されています。
具体的には、勉強に集中できる時間が短くなった、物忘れがひどくなった、人にぶつかったりケガをしたりすることが多くなったなど、さまざまなケースがあるようです。
日常的に使うような簡単な漢字や英単語が書けない、よくテレビで見る芸能人の名前が思い出せない、短い文章が作れないなどの脳機能低下を思わせる症状もあります。
回復する人も多い?スマホ認知症から若年性認知症へ移行の可能性も
スマホ認知症の多くは一時的な症状であり、スマホの使用頻度を抑えることで回復するでしょう。
しかし、なかには若年性認知症へ移行してしまうケースもあると危惧されています。
単なる物忘れだと思わず、困っている人は専門外来などへ相談してくださいね。
スマホ認知症による症状が原因で学業や仕事に影響を及ぼし、そのストレスがさらに睡眠不足を引き起こしたり、自律神経のバランスを崩したりする可能性もあります。
スマホ認知症はあらゆる心身の病気の引き金になる恐れがあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
原因は?過剰な情報が脳内のゴミに
スマホ認知症の原因は、脳内に溜まった「情報のゴミ」であると考えられています。
目や耳から入ってきた情報は、脳に取り込まれることで記憶されます。
スマホを日常的に使っていると、何気なく目にしたニュースや動画、SNSなどにあふれる情報が大量に脳内へ流れ込んでいる状態になるでしょう。
入ってきた情報から必要なものだけを記憶して、不要なデータは外へ吐き出すのが脳の本来の機能です。
しかし大量の情報が入ってくると脳が処理しきれないため、本来なら不要なデータも一緒に保管してしまいます。
脳の容量が満タンになることで、新たな情報が入ってこれなくなるのがスマホ認知症の原因です。
スマホ認知症の予防には、スマホを使う時間を減らすことが一番です。
一日中使っている人は帰宅後の2、3時間までに控えるとか、勉強中や電車の移動中はカバンから出さないようにしましょう。
すでに症状が出始めている人は、早めに受診してくださいね。