1人で食事をするのは平気なのに、誰かと一緒に食べようとすると食べ物が喉を通らない・・・。
そんな経験はありませんか?
家族や他人と会食すると緊張し、強い不安感を抱く人は「会食恐怖症」かもしれません。
今回は対人恐怖症の1つ、「会食恐怖症」について解説しましょう。
「会食恐怖症」とは?人前で食事ができない
誰かと一緒に食事をした時、極度に緊張したり不安になったりする症状を「会食恐怖症」といいます。
お腹が空いていても目の前に人がいると食欲がわかず、場合によっては気分が悪くなることもある病気です。
1人で食べる時は何の問題もなく、消化器官や口、歯、顎、舌などの身体にも異常が見られません。
また、人によっては食べられるものと食べられないものがあり、一緒に食事をする人によっても症状の表れ方が違うことがあります。
原因は?幼少期のしつけが引き金になることも
会食恐怖症は、突然発症する可能性があります。
きっかけとして考えられるのは、対人恐怖、社交不安症によるものです。
幼い頃に親から「食べ方が汚い」と言われたり、食べ残しに対して強い口調で叱られたりすると、食事をする行為に恐怖心が芽生えることがあります。
大人になっても、「一緒に食事をする相手が不快に思うのではないか」と心配してしまうのでしょう。
また、公の場で失敗して恥をかき、トラウマになってしまう人もいます。
パニック障害の一面も・・・人間関係によるストレス
会食恐怖症には、「広場恐怖症」によるものもあります。
これは自分の都合で席を外すことに対して、強い罪悪感を抱えてしまう症状です。
体調が悪くなっても食事を中断できない、その場を抜け出すことができないと思い込む強迫観念が原因となっています。
一緒に食事をする相手から精神的に束縛されている場合(または自分がそう思い込んでいる場合)、この症状を起こすことが多いでしょう。
「吐き気恐怖症」と併発している可能性も
会食恐怖症を発症している人の中には、「自分が吐いてしまうかもしれない」という不安感を抱えている人がいます。
体調が特別悪いわけではないのに、過去のトラウマや精神疾患により「食べたら吐いてしまう」との考えにとらわれているのです。
吐かないようにするためにごくわずかな量しか食べられなかったり、何かを口にする度にトイレへ駆け込んでしまったりする人もいるでしょう。
また、自分ではなく相手が吐くことを想像してしまうタイプの人もいます。
会食恐怖症を克服するには、精神科など専門医療機関を受診しましょう。
「無理やり食べる」といった自己流の荒治療は、症状を悪化させる恐れがあります。
必ず専門医に相談して指導を受けてくださいね。